職権消除された!行方不明の夫からの離婚届!? 突然の事態にどう対処する?

はじめに

最近、行方不明の夫から離婚届が届いたという相談を受けました。数年前に夫の住民票は職権消除の手続きが取られ、本人はその事実を知らないままでした。離婚届の現住所欄には、職権消除前の住所が書かれていました。この場合、離婚届は成立するのでしょうか?今回はこのようなケースにおける離婚届の扱い方と関連する手続きを以下のとおり詳しく説明します。

1.協議離婚とは?
2.住民票の職権消除とは?
3.行方不明の夫から届いた離婚届はどうなる?
4.虚偽の住居地の届出について
5.職権消除の解除方法
6.職権消除された人を探す方法
7.専門家への相談と支援の重要性
8.おわりに

1.協議離婚とは?

協議離婚とは、夫婦双方の合意に基づいて行われる離婚のことです。協議離婚を成立させるためには、以下の手続きが必要です。

・夫・妻双方の離婚意思があること
・市区町村役場に離婚届を提出すること

離婚届の記入項目には、届出時点の住民登録地を記入することが求められます。

2.住民票の職権消除とは?

住民票の職権消除とは、住民基本台帳の記載内容を正確に保つために行われる手続きです。具体的には、以下のような理由で行われます。

・郵便不達や臨戸訪問により居住が確認できない場合
・税務課や保健課からの情報提供
・同居する家族や家屋管理人、区長などからの申出
・外国人の帰国や在留期間満了の通知

職権消除されると、「住所不定」となり、住民票の写し、選挙人名簿の登録、印鑑登録などの行政サービスを受けることができなくなります。また、2023年全国で職権消除された人は109,100人となっています。

3.行方不明の夫から届いた離婚届はどうなる?

離婚届に記載された住所が職権消除されている場合でも、届出は有効です。当事者双方の離婚意思があるのであれば、特に問題なく離婚届を提出することができます。したがって、職権消除の解除手続きは不要です。

4.虚偽の住居地の届出について

また、住所がわからないから偽りの住所を届け出ると虚偽の住居地の届出となり、この場合、虚偽の届出が確認されると罰則(過料)の対象となります。一方、住民票の職権消除は、届出義務者が届出を怠った場合に行われるものであり、虚偽の届出とは異なります。

5.職権消除の解除方法

それでは職権消除された住民票を回復するためには、居住実態を確認する必要があります。具体的な手続きは以下の通りです。

・現住所の確認: 実際に住んでいる住所を確認し、証明する書類(賃貸契約書、公共料金の請求書など)を準備します。

・市区町村役場への申請: 現住所の市区町村役場にて、住民票の回復手続きを行います。窓口で職員に相談し、必要な書類を提出します。

・実態調査: 役場の職員が現住所を確認するための実態調査を行う場合があります。調査が完了し、居住が確認されたら住民票が回復されます。

6.職権消除された人を探す方法

職権消除された人を探すための方法はいくつかあります。

・家族や友人に連絡
最も近い関係者から情報を集めることが効果的です。

・SNSやインターネット
ソーシャルメディアやインターネット検索を活用して情報を集めます。

・専門家の協力
探偵や弁護士、行政書士などの専門家へ依頼することも一つの方法です。

・役場や公共機関への問い合わせ
必要に応じて役場や公共機関に問い合わせ、必要な手続きを確認します。

7.専門家への相談と支援の重要性

住民票が職権消除された場合、その影響は大きく、様々な行政サービスを受けられなくなる可能性があります。このような状況に直面した場合、専門家への相談と支援を受けることが非常に重要です。行政書士などの専門家は、適切な手続きや対応方法についてアドバイスを提供してくれます。

8.おわりに

今回のケースでは、行方不明の夫からの離婚届は有効であり、職権消除の解除手続きは不要です。しかし、住民票の職権消除は重大な影響をもたらすため、専門家への相談と支援を受けることが大切です。その他の疑問点や手続きについては、市区町村役場への問い合わせをおすすめします。

出典:総務省統計局 住民基本台帳人口移動報告2023年結果
 https://www.stat.go.jp/data/idou/2023np/jissu/youyaku/index.html

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