複数見つかった遺言書!どうすればいい?最新が優先?種類や相続人対策も解説

複数の遺言がある場合の対処法と遺言の種類

はじめに

遺言は、遺産の分配方法を指定する重要な法的文書です。しかし、複数の遺言が存在する場合、どの遺言が有効か、どのように遺産を分割するべきかが問題になります。本ブログでは、遺言の種類やそれぞれの信用性、遺留分を考慮した遺産分割の方法について以下の通り、詳しく解説します。

1.遺言の基本
2.複数の遺言が存在する場合
3.自筆証書遺言 vs. 公正証書遺言
4.遺留分と遺産分割
5.遺言作成時の注意点
6.法務局による遺言保管制度と費用
7.公正証書遺言の作成費用
8.まとめ

1.遺言の基本

遺言とは何か

遺言は、遺産の分配方法や遺産管理者を指定する文書であり、法的に有効な文書です。遺言者の意思を反映する重要な役割を持ちます。
一方エンディングノートは法的効力がなく、個人的な希望やメッセージを自由に伝えるためのツールです。

遺言の種類

・自筆証書遺言: 被相続人が自分で書いた遺言。簡便だが、形式不備や偽造のリスクがある。
・公正証書遺言: 公証人が作成する遺言。証人が立ち会うため、信用性が高い。
・秘密証書遺言: 遺言内容を秘密にしたまま、公証人が保管する遺言。

2.複数の遺言が存在する場合

日付の新しい遺言が有効

遺言は日付が新しいものが優先されます。これは、被相続人の最新の意思を反映するためです。例えば、2022年の日付の遺言と2023年の日付の遺言がある場、2023年の遺言が有効です。

旧遺言の取り扱い

新しい遺言が作成されると、以前の遺言は無効になります。ただし、新しい遺言に特定の事項が書かれていない場合、旧遺言のその部分が有効となることもあります。

3.自筆証書遺言 vs. 公正証書遺言

・自筆証書遺言

利点: 手軽に作成できる。
欠点: 形式不備や偽造のリスクがある。内容が曖昧な場合が多い。裁判所の検認が必要。

・公正証書遺言

利点: 公証人と証人が関与するため、信用性が高い。紛失や改ざんのリスクがない。
欠点: 作成に費用と手間がかかる。

信用性の比較

公正証書遺言は、法的安定性と信頼性が高く、遺言者の意思を確実に反映するための最も安全な方法です。作成には費用と手間がかかりますが、その価値は十分にあります。公正証書遺言の方が信用性が高い理由は、第三者である公証人と証人が関与するためです。これにより、偽造や改ざんのリスクが低減されます。

4.遺留分と遺産分割

遺留分とは

遺留分は、法律で保護された相続人の最低限の取り分です。兄弟姉妹を除く法定相続人には遺留分が保障されています。

遺留分の侵害

計算方法: 遺留分は、相続財産の一定割合を基に計算されます。
侵害が発生した場合の対応: 遺留分を侵害された相続人は、遺留分減殺請求を行うことができます。

5.遺言作成時の注意点

専門家への相談

遺言を作成する際には、専門家に相談することが重要です。これにより、法的に有効な遺言を作成することができます。

遺言の定期的な見直し

家族構成や財産状況が変化するため、遺言は定期的に見直すことが推奨されます。

遺言執行者の選定

信頼できる人物や専門家を遺言執行者に選ぶことが重要です。執行者は、遺言の内容を実現する責任を負います。

6.法務局による遺言保管制度と費用

法務局による遺言保管制度

法務局では、自筆証書遺言の保管を行っています。この制度を利用することで、遺言書の紛失や改ざんのリスクを軽減できます。

費用

法務局での遺言書保管にかかる費用は約3,900円です。遺言書の保管証明書の交付には別途料金がかかる場合があります。

7.公正証書遺言の作成費用

公正証書遺言の作成には、公証人への手数料がかかります。手数料は遺産の価額によって異なりますが、以下のような費用が一般的です。

遺産が1億円の場合: 約43,000円
遺産が5億円の場合: 約115,000円
公証が施設や病院などに出張する場合、別途費用が発生します。

※出典:日本公証人連合会
https://www.koshonin.gr.jp/notary/ow02/2-q13
※公正証書遺言作成を専門家に依頼した場合の報酬相場は、8~20万円程度です。
※公正証書遺言の作成時には、証人2名に立ち会ってもらわなければなりません。
証人を専門家や公証人役場に依頼した場合、1名につき7,000円から1万5,000円程度の日当がかかります。なお知人などにお願いして証人になってもらえばこちらの費用はかかりません。

8.まとめ

複数の遺言が存在する場合、最新の日付の遺言が有効であること、公正証書遺言の信用性が高いこと、遺留分を考慮した遺産分割が重要です。専門家のアドバイスを受けつつ、適切な遺言を作成し、家族への影響を最小限に抑えることが大切です。

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